PERIODONTAL DISEASE
歯周病とは、歯の周りの歯茎や、歯を支える骨などが破壊される病気です。歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に細菌が入り、歯肉が炎症を起こし赤く腫れて、ブラッシング時出血します。しかし、痛みはほとんどありません。さらに進行すると、歯肉の中にある歯を支えている歯が溶けて、膿が出たり歯がグラグラします。この時期になると、やっと痛みや腫れをともないます。そして最後には歯が抜けてしまう、恐ろしい慢性の病気です。日本人の約8割がこの病気にかかっている現実があります。
平成23年の厚生労働省の調査では、35歳以上の日本人の8割以上が歯周病にかかっているということが判明しております。歯周病の原因はプラーク(歯垢)に潜む歯周病原菌です。現在数十種類の歯周病原菌が判明しています。では、怖い歯周病にかかってしまったら治らないのでしょうか。当院では一人一人の病状を的確に診断し、歯周病の原因となる歯周病原菌を位相差顕微鏡を使用して発見し、歯周内科治療を用いて駆除・除菌を行います。それにより、健康な歯周組織を獲得することが可能です。
※厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査(歯肉に所見のある者の割合)より
国際歯周内科学研究会が打ち出した歯周病の治療法です。歯周内科は薬で体の内部から歯周病を治療するものです。歯周病の原因となる細菌やカビを特定し、薬を用いて原因菌を除菌することにより、高確率で歯周病が治る画期的な治療法です。
歯周内科治療は位相差顕微鏡で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性のある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態にすることで歯周病を内科に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されという利点があることが知られています。
また、はっきりと自覚できる程歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長期間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なくなることが知られています。(なお、前歯においては短期間で歯茎が縮むので歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合には残念ながら通常の治療では元々歯が溶けている状態ですので改善は難しいようです。その場合は審美外科を行う必要があるかも知れません。)
~ 顕微鏡で歯周病菌をロックオン ~
歯周病治療では、徹底した歯みがき指導と歯石除去(ときに歯ぐきを切開する外科的処置が必要)が長期間にわたって行われ、その目的で達成するには、高度な医師の技術と患者の根気強い歯みがきが必要とされます。
歯周病は感染症です。つまり、発症には原因となる菌やカビなどが存在しており、歯周内科治療では、その原因菌に効果ある薬を内服して歯周病を治します。
そのためにも、まず、歯周病を特定する必要があります。そこで、事前に顕微鏡で口の中を観察し、原因菌をつきとめることから治療がはじまります。
きちんとした治療順序を踏めば、たったこれだけのことで痛みや苦痛なく除菌が可能になります。
BEFORE
2011年1月:初診日
AFTER
2017年8月:治療後継続メンテナンスを行い6年経過
BEFORE
2011年1月:歯周病が重度の状態(拡大)
AFTER
2017年8月:治療後継続メンテナンスを行い6年が経過。
支持骨の増大もはっきりわかる。(拡大)